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ロンドンの窓 (第1283回)

2012 5 28
敵でなかったら味方、満点でなかったら零点、善人でなかったら悪人、薬でなかったら毒、白でなかったら黒。

こうした思考をニ分割思考というそうです。狭く極端な思考形態で、うつ病になる人の多くはこの思考パターンに落ち込んでいるとか。精神科のお医者さん、和田秀樹さんの著書「テレビの大罪」(新潮新書)に書いてありました。

ニ分割思考に陥らないため「認知的複雑性」を重要視することの大切さを述べています。漢字だと難しい表現ですが、要するに白と黒の間にはグレーがあり、グレーの中にも濃いグレーから薄いグレーまで色々あるということです。

友達は味方だけど時には悪口も言うとか、恋人同士でも喧嘩するとか、それぞれの関係は二極だけでは割り切れないものですよという教えですが、精神医学や認知心理学の難しい単語を持ち出さなくても「清濁併せ呑み」「酸いも甘いも食べ」「足して二で割って」生活するのが良いという話。昔の人は上手い事を言っています。

http://www002.upp.so-net.ne.jp/y-okada/

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ロンドンの窓 (第1282回)

2012 5 27
残り一ヶ月を切りました。
高橋由一展 http://yuichi2012.jp/

皆さんも新巻鮭の油絵を教科書で見た筈。小さな写真の鮭でしたが本物は120cmの大きな鮭。重要文化財の鮭を真ん中に3点の新巻鮭が並んでいます。見ごたえアリ。

明治維新のとき40歳。鎖国ニッポンの武士でしたから西洋の油絵の知識も画材もなく全てが手作り。油絵を新生日本に定着させるべく奮闘し、画塾開始、展覧会開催、画材国産化、美術館建設といった日本の近代洋画の夜明けを自らの手で引き寄せ、幕を開けた偉人です。

風景画がまた素晴らしい!
1881年(明治14年)「月下隅田川」はモネの「印象・日の出」(1873年)を彷彿とさせます。同時代に西欧と日本で同じ感性をもってカンバスに描き切った人がいたことに感動します。

「墨堤桜花」(1878年)、「滝野川紅葉」(1876年)は、幾多ある桜、紅葉を描いた作品群の中でも秀逸。「芝浦夕陽」(1877年)の夕焼けに輝く海は絶品。

素晴らしい絵画の中に、慶応3年(1867年)のパスポートが展示されています。日本外国事務局の発行。侍の世に現在でも通じるこんな名前の役所があったのですね。

高橋由一展、見逃したらモッタイナイ。6月24日まで。上野です。
予め「高橋由一」(中公新書)を読んでから展覧会に出かけると面白さが倍増します。

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ロンドンの窓 (第1281回)

2012 5 26
大エルミタージュ展 http://www.ntv.co.jp/hermitage2012/

「只今、入場待ち時間無し」の表示が出るくらいなので、さぞかし混んでいるのだろうと覚悟の入場でしたが、拍子抜けするほど空いていました。ラッキー!

サンクトペテルブルグの常設展示から83作家、89作品。
16世紀のティッチアーノ、17世紀のルーベンス、レンブラント、18世紀のルブラン、ジョシュア・レイノルズ、19世紀のドラクロア、モネ、セザンヌ、20世紀のマティス、ピカソ。

ルネサンス、バロック、ロココ、新古典、ロマン、ポスト印象派、フォーブ、キュビズム。
西洋絵画の変遷を、有名どころの89作品で辿る企画は贅沢この上ないのですが、如何せん、それぞれの作家の代表作とはいえない作品が殆どなので、会場全体にイマイチ緊迫感が醸し出されません。

そんな中で、イチオシ作品はコロー「森の中の沼」
緑の濃淡、光、静寂、釣り人の赤い帽子。大作ではありませんが自宅に飾りたくなる逸品です。

作品ごとに足を止めじっくり見入るより、各展示室の中ほどに立って全体を俯瞰するほうが絵画史の移り変わりが感じられます。再入場不可なので、会場で鉛筆を借り、入り口に置いてある作品紹介パンフを片手に各展示室をゆったり往復しながら感じたことをメモして歩くのが良いでしょう。

楽しみにしていたカタログ(2500円)は全体に色調が暗いためインパクトが弱く、迷った末に買いませんでした。三越のつもりで出かけたらヨーカ堂だったというのが展示会全体の印象です。


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ロンドンの窓 (第1280回)

2012 5 25
世紀のパノラマショー、金環日食も過ぎてしまえばアッという間でした。
ベイリービーズと言う単語も初耳。太陽と月の縁が重なった時に、月表面の凹凸から光が漏れ出す現象。判ったようで判らない説明ですが、さすがにNHKの画像は綺麗でした。

そのベイリービーズを用いて太陽の半径を測定する試みがありました。
太陽は明るすぎ縁が明確に把握できず、半径も大雑把にしか掴めません。現在想定されている太陽半径は69万6000km。

ベイリービーズを用いて行なった国内の天文学者たち専門家の試算によると、太陽半径は69万6010km ±20kmだそうです。

これは画期的に凄い科学上の進歩だそうですが、±20kmの誤差範囲に現在の大雑把な想定半径が含まれています。69万6000kmから10kmだけ進歩したということは0.0014%の進歩。

一般人の感覚では、新たな発見とかベイリービーズ様サマというよりむしろ「これまでの大雑把な想定の正しさが証明された」ということではないでしょうか。こんな表現では夢が無いですかね。

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ロンドンの窓 (第1279回)

2012 5 24
スカイツリーは意外と風に弱いですね。
高いところが大の苦手な私ですから天望デッキや天望回廊に昇ることは金輪際無いと思いますが、風速15メートルとか30メートルの風が吹く中、地上350メートルや450メートル、あるいは途中のエレベーターに閉じ込められたらさぞや怖そう。

東京タワーのオープンは1958年、こちらは6歳。興味を持つには少し早すぎました。東京スカイツリーは2012年、こちらはあと数ヶ月で還暦。興味を持つには少し遅すぎました。

我々はタワーの「タ」、ツリーの「ツ」にはさまれた、タチツテトの「チ」世代。
天に昇る建築物のあいだなので「チ」は「地上の星」世代でしょうか。
そういえば中島みゆきさんも同世代です。

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ロンドンの窓 (第1278回)

2012 5 21
金環日食はナマをチラリ、TV画像をたっぷり見たので、もう十分。

月に隠れた太陽の様に、日食に隠れて大きなニュースになっていませんが、千葉県民としては日食以上にヤキモキしているのが利根川水系に突如発生したホルムアルデヒドによる断水。35万世帯が断水し84万人の生活が乱れました。ホルムアルデヒドの発生原因が特定できず、今日になってもアルデヒド濃度が上がったり下がったり。第二、第三の断水もありえる状況が続いています。

国も県も専門家も「今回検出された濃度なら、水道水に使用したり飲料に使っても問題なし」と断定しています。

そうした状況にあって、どうして何の事前連絡も無く、突然断水にしてしまうのでしょう。
なんの通告も無しに断水させ、病院や飲食店はもとより、子供のミルクや薬、トイレ、風呂など生活の全てを混乱させる必要があるのでしょうか?

突然の断水ですから、ポリタンクを常備している一般家庭など殆どありません。物置にあった埃をかぶった容器や燃えないゴミ入れに使っているポリバケツが、どれほど安全な入れ物でしょう?暑いさなか、2時間も給水所に並ぶシンドサは並大抵ではありません。

通常の生活に支障無いレベルのホルムアルデヒド濃度の水なら、そのまま供給を続けながら、キチンとした注意を呼びかけ、あとは個人判断に任せるのが大人の行動。行政としてやるべきは突然の断水で市民生活を混乱させることではなく、原因解明と再発防止策の確立、これに尽きます。

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ロンドンの窓 (第1277回)

2012 5 19
熊本の飲み屋で「美味しい焼酎の飲み方は、最初にお湯をグラス半分入れて、グラスを斜めに傾け、焼酎をグラスに垂らすように注ぐのがポイント。焼酎がお湯の中で渦を巻くのを楽しみなさい。」と女将さんに教えてもらいました。

両陛下がエリザベス女王即位60周年記念式典に出席するためイギリスを訪問されていますが、本場イギリスの紅茶の正式な飲み方は「最初に冷たいミルクをカップに入れ、その上から温かい紅茶を注ぐ」のだそうです。

紅茶はストレートかレモンティーの方が良いという人もいますが、やはり紅茶の歴史を考えるとミルクティーが正統でしょう。

17世紀のイギリスでは紅茶より先にコーヒーが世に出たのですが、黒っぽい色のコーヒーを飲むと腹黒い人間になると言われ、コーヒーを飲みながら政府転覆をたくらんでいると疑惑が持たれ、喫茶店排除命令が出たこともあります。

そんなこんなでコーヒーはすたれたのですが、理屈はともかく、当時のコーヒーは不味かったということでしょう。7つの海を制したイギリスに世界から紅茶の葉っぱが輸入され始めると、アッという間にコーヒーは脇に追いやられ紅茶が主流になりましたが、腹黒さの誤解を避けるため、紅茶には白いミルクをドバドバドバッと足して飲むようになりました。

私が毎朝飲んでいるのはティーバッグの紅茶にコーヒー用クリーム一個。正統には程遠いですね。

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ロンドンの窓 (第1276回)

2012 5 18
これだけ広範囲で金環日食が観察できるのは932年ぶりと連日聞かされているのに、特別、ウキウキ、ワクワクすることもありません。当日の朝も何事もなく過ぎると思いますが、テレビをつければリアルタイムで中継しているでしょうから、見るともなく見てしまうでしょう。

5月21日(月)6:19am ~ 9:02am

932年前と言えば平安時代。
太陽を直視すると目に悪いので日食メガネを着用しなさいと盛んに報道されています。平安時代の人たちはどうしたのでしょう?日食メガネは無かったはずですから、当時の人たちは皆さん、目を悪くしたのかしら。

たぶん当時は日食を科学的に理解していなくて、天の神様が怒ったとか泣いたとか、恐れ多いので見てはいけないものと感じたのではないでしょうか?見ないようにしていれば目も悪くなりません。

今は連日報道されていますから、平安時代と比べれば嫌でも見る人は多いでしょうが、見ると目を悪くするので日食メガネ。なにやらマッチポンプの如しです。

生中継されるテレビ画面は日食メガネなしで直視しても大丈夫なのでしょうか?
OKなら良いのですが、そうなると今度は、液晶大画面で鮮明な画像がウリのテレビとは??と少し引っかかります。... どうも我ながら科学的ではありません。平安時代からさほどの進歩は無さそうです。

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ロンドンの窓 (第1275回)

2012 5 17
男女共学の高校がこの20年で半減し、とうとう全国で10%を下回ったそうです。男子校130校、女子高334校。

私の出身校、埼玉県立川越高校は当時も今も男子校。そのせいか、当時を思い返して、自分の隣に女子生徒が座っている図を想像すると、なにやら気色悪いというか、落ち着かないというか、トンデモナイといった気持ちになります。

今でも鮮明に覚えているのは、男子校卒業の翌月から通い始めた早稲田の学生会館(学館)に、ウジャウジャたむろする女子学生が超違和感でしたし、学館の低いソファーに当時流行のミニスカートで自分の前に座る女子学生にはドギマギというよりカンベンシテクレでした。

そんな純情可憐な学生を育ててくれたのが男子校。これからも是非是非、残してもらいたいと心底願います。

今年も津坂杯の季節が近づきました。一ヵ月後の6月17日。現役・OBの卓球対抗戦です。今回が57回目。今年はわが同期も還暦。我々が生まれた頃から毎年続いている大会ということになります。良く続いているものです。それもこれも男子校なればこそ。事務局を務める幹事さん達、現役の生徒諸君、顧問の先生などなど、関係者全てに大感謝。ご恩返しは同期勝ち越しで報いたいと思います。

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ロンドンの窓 (第1274回)

2012 5 16
こちらが鈍いだけなのか、着信の振動も殆ど気付かず、ふと見ると着信ライトが点滅していることが度々です。昨日は喫茶店でコーヒー片手に本を読んでいたら、通りかかったウェートレスが「お客様、携帯が鳴っていますよ」なんで判るのでしょう?

携帯電話はあまり持ち歩きません。
先日、自宅に電話しようと近くを見回しても目に付く場所に公衆電話が一台もないことに気付きました。

漸く見つけた電話ボックス。小銭がなくコンビニでガムを買いお釣りの10円玉を貰おうとしたらガムは100円。結局、別の100円玉を50円玉1枚と10円玉5枚にくずしてもらいました。

10円玉を手に電話ボックスに入ったら、公衆電話はカード専用。踏んだり蹴ったり、ガックリ、ガッカリ。

ピーク時は全国に94万台あった公衆電話も現在は25万台。月間4000円の利用を下回ると撤去対象になるそうです。月に4000円といえば、一日10回でしょうか。そんなに沢山、公衆電話が使われているとは思えませんが、最低でも全国に約11万台の公衆電話の設置は国の義務だそうですから、直ぐに無くなる事はなさそう。それにしても携帯を持たない人には不便な世の中になりました。

去年3月11日は携帯が殆ど繋がらない状態になりましたが、それでも首都圏で当日使われた公衆電話は前日比で15倍。電話ボックスとタクシーにあれだけ長蛇の列が出来ていたのに、それでも利用頻度は前日の15倍程度だったとは。よほど皆で頑張って使い続けないと公衆電話はあと数年で絶滅危惧種の仲間入りです。

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